04 — CRAFTSMANSHIP
職人としての始まり
言われて腹が立ったから、自分で覚えた。

もともとリフォームは、外部の大工さんや職人さんにお願いしていた。きっかけは、自分の家の工事だった。大工さんと意見がぶつかって、喧嘩になった。「そこまで言うなら自分でやってみろ」。そんな流れになって、心底腹が立った。
冷静になって考えた。不動産会社の経営のほうが難しいと思ってやってきた。なら、職人仕事も本気で学べばできるんじゃないか。
幸い、私は田舎に生まれ育った。周りには70代、80代の熟練職人がいた。その人たちに頭を下げて「教えてください」と頼み、現場に来てもらいながら一つずつ覚えた。大工工事、内装、キッチンの組立、水道、ガス。家の工事を自分たちの手でできるようになっていった。
70代、80代の職人から受け継いだ技術で、いま家を直している。
妻も電気工事士の資格を取り、電気工事や水回りの工事をこなし、いまは若い社員への指導もしている。夫婦そろって現場に立つ不動産会社は、そう多くないと思う。
なぜ自社でやるのか。お客様が家を買った後に「リフォームしたい」と言われても、外注の見積もりは高く、日程調整も大変で、自信を持って提示できなかったからだ。自分たちの手でできれば、お客様の希望に対して、もっと現実的で誠実な提案ができる。腹立ちから始まった話だが、行き着いた先は、お客様への提案力だった。教えてくれた職人たちには、感謝しかない。
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